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東海理化、時代に先駆けてVMware環境からNutanixへ刷新、業務システムの安定稼働で新規事業開発を推進

レガシー環境からの早期脱却判断が市場混乱から免れる主因となる

課題

  • VMware買収の影響による混乱の早期安定化
  • 新規構築や運用、保守などに時間をとられない安定稼働可能なシステム基盤の構築 
  • B to Cを中心とした新ビジネスに対応できるハイブリッドクラウド基盤の検討
  • 市場の急激な変化に短時間で対応できる柔軟な基盤の移行体制

導入によるビジネスのメリット

  • 市場での競争優位性を確保:モダンなハイブリッド・マルチクラウド環境への迅速な移行判断
  • 運用効率の向上:クラウドとオンプレミスの最適なバランスを維持
  • 次世代環境への対応:最新の技術と市場に対応できる基盤を確立

「ライフサイクルの終盤を迎え、次世代環境の検討を進めていたところ、BroadcomによるVMware買収の話があり、その際にNutanixから素晴らしい提案をいただきました。今振り返ると、以前の環境 (VMware) から Nutanix Cloud Platform に移行したのは正解だったと思います」

株式会社東海理化  情報システム部 ITマネジメント室 IT基盤グループ グループ長  片山正尋 氏

「コロナ禍から5年が経ち、システムは一巡しました。ビジネス環境は激変し、新しいアプリケーションの開発も加速しています。オンプレミスとクラウドの選択など、まだ不透明な選択肢が多い中で、特定の方向にターゲットを絞るのは危険です。このような時代だからこそ、柔軟性が重要だと考えています。 その点で Nutanix Cloud Platformには期待しています」

株式会社東海理化  情報システム部 ITマネジメント室 IT基盤グループ 主任  河口泰佳 氏

背景

自動車部品の製造を中心に事業を展開する東海理化には、「CASE」(Connected[通信]、Autonomous[自動運転]、Shared[シェアリング&サービス]、Electric[電動化])と呼ばれる急速な自動車業界の技術革新に加え、中国やインドといった新興市場での自動車販売の好調を受けて、製品開発力や生産力、販売力のさらなる強化が求められています。

技術や市場の変化に対応するために東海理化は、「DXed町工場(Digitally Transformed マチコウバ)」というスローガンを掲げ、業務プロセスのドラスティックな変革を推進。データとデジタル技術を活用することで、新たな価値提供のためのリソースを創出できる「東海理化トランスフォーメーション」と称する取り組みとして、全社一体となったDX化を進めています。

このような環境下、デジタル人材の育成やセキュリティ対策が急務となっています。また、自動車部品製造で培った技術を応用したデジタルキーソリューションのようなB2C新規事業の開拓や、SaaSを活用したスタートアップ企業との自動運転車両の遠隔監視および操作システムなどでの連携、B2C環境の構築など、新規事業向けプラットフォームの立ち上げを加速させるニーズも認識しており、複雑な保守ワークフローに煩わされることなく、新システムへの柔軟な拡張が可能なプラットフォームが求められています。

ソリューション

東海理化の業務システムでは従来、VMwareを利用したレガシー仮想環境において、生産準備や品質管理、生産実績および基幹のオープンシステムなどを250台のサーバー群で運用してきました。この環境を2023年の夏前ごろから順次Nutanix Cloud Platformに切り替え、現在は約150台をオンプレミスのNutanix Cloud Platform上で、約100台をパブリッククラウド上で運用しています。「当初、すべてのサーバーをパブリッククラウド上で稼働させる予定でしたが、コストがかかることと、移行が困難なサーバーも多くあったので、現在のような配分になっています」(情報システム部ITマネジメント室IT基盤グループ長の片山正尋氏)。

レガシー仮想環境下では、環境起因によってCPUやストレージなどハードウェア間が無通信状態になるなどのトラブルが発生し、ベンダーロックインも含めて解決困難なケースが多発。同時期に、BroadcomによるVMware買収の話が持ち上がり、いち早く将来への危機感を持った担当者がNutanix Cloud Platformへの移行を決めたという経緯がありました。選定の理由を「ソフトウェア/ハードウェアがワンレイヤーであることと、開発中だったクラウドへのバックアップ機能などの話を聞き、現行の環境(VMware)に比べて今後の開発でさらに充実していくだろうと思ったので、Nutanixの将来性に賭けました」(片山氏)と当時の印象について振り返ります。

導入効果

Nutanix Cloud Platformを利用することで、東海理化はNutanixのオンプレミスはもちろん、パブリッククラウド上でもニーズに合わせてモダンなビジネスアプリケーションを稼働させることができるという優れたテクノロジーとそのロードマップへとアクセスすることができるようになりました。また、東海理化では、レガシー仮想環境からの移行を「ほぼすべて自社内で作業した」(情報システム部ITマネジメント室IT基盤グループの河口泰佳氏)と言います。既存環境からの移行ツールであるNutanix Moveの利用では、「特にそれ自体でトラブルが発生したことはなかった」(片山氏)。移行後にアプリケーションの挙動が怪しくなったケースもあったと言いますが、それもアプリケーション起因の問題であった為、アプリケーションベンダーの対応によって今では解決しています。

日常の運用管理においても、マルチクラウド管理インターフェースのPrismが基盤全体の俯瞰性に優れているため、「CPU、メモリー、ディスクの使用率を確認する程度の簡単な作業で済みます」(河口氏)と容易さを強調しました。頻繁なログ表示や警告なども今のところ出ていないと言います。

Nutanixを導入して1年、本格的な稼働から半年が経った現在、次なる投資計画を見据えながら新規ビジネスむけのアプリケーションの導入や開発を検討する際に、Nutanix Cloud Platformであればスピード感と拡張性の点で大きなメリットがあると感じています。従来の基盤では、導入の際に大きな手間がかかっていました。「場所を問わずにクラウドと同等の俊敏性と拡張性を担保できるのはメリット」(片山氏)と見ています。

今後の展開

東海理化では今後さらに、B to C系の新規事業について、社内・社外を含めたインフラ整備が求められています。急速な立ち上げを必要とする商品やサービスの社外公開についてはSaaSやパブリッククラウド主体で考え、Active Directoryを含む社内のインフラアプリケーション、EDIを通じた取引先とのデータ自動連携、マスターデータベースと連携しての取引価格の設定などを行うシステムなど業務効率化にかかわるような既存型の社内アプリケーションについてはオンプレミスに展開されたNutanix Cloud Platformを中心に展開していく計画です。

一方で、両者の境界をゼロトラストなどでセキュリティを確保しながら透過性を高め、リモートワークなど社員の働き方改革などにも柔軟に対応することが今後の課題としています。また、Nutanix Cloud Platformの仮想マシン、Kubernetesアプリケーション、データ双方についてのポータビリティを活用し、状況に合わせてパブリッククラウドとオンプレミスのアプリケーションを最適配置することも視野に入れています。

「コロナ禍で揃えたシステムもそろそろ一巡する時期になっているので、次の新しいアプリケーションを検討する時期が近づいてきました」(河口氏)。特定の一方向に偏り過ぎて開発を進めると、今回の仮想環境のような大きな変化に対応できなくなってしまうので、いつでも柔軟に移行できる体制をとっておかなければならないと痛感しています。そうした時に「Nutanix Cloud Platformのハイブリッド・マルチクラウドをまたがる柔軟性が発揮できる」点に河口氏は大きな期待を寄せています。