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バックアップとディザスタリカバリ

データ保護、バックアップ、ディザスタリカバリの違い

データ保護とは、重要な情報を破損、漏洩、または損失から保護するプロセスです。これは、ローカルクラスタの回復力(RF、スナップショット、クローニング、自己修復)、そして321ルール(データのコピーは少なくとも3つ、バックアップは2種類の異なるメディアで保存、バックアップのうち1つはオフサイトで保管)に従った統合型バックアップを含みます。

バックアップとは、データをコピーするプロセスを指します。従来、これは不定期のフルバックアップ(すべてのデータをコピー)と、主に夜間に行われる定期的な増分バックアップ(前回のバックアップ以降に変更したデータのみをコピー)によって構成されています。

ディザスタリカバリは、広範なツール、ポリシー、手順を用いることで、重要なITの機能性と事業活動を復旧させるものです。オーケストレーション(リカバリプランニングおよびランブック自動化など)には、素早く回復するためにマルチレイヤの自動化が必要です。Nutanixソフトウェアは、そのクラウドプラットフォームから、これらを含む多数のシンプルかつセキュアなサービスを統合できます。

バックアップとディザスタリカバリが重要な理由

アプリケーションダウンタイムとデータ損失には高額な費用が伴います。実際、計画外のサービス停止が発生した場合は生産性の喪失によって1分あたり9,000ドル以上かかるほか、企業の評判にも悪影響が及びます。

大多数のエンタープライズ組織にとって、データは唯一かつ最も重要なデジタル資産です。世界のデータ量は2025年までに175ゼタバイトに達することが予想されており、データの成長、管理、そして保護は大半の企業にとって最も重要な関心事となっています。

災害リスクは増加の一途をたどっている

どのような組織であっても、サービス停止、セキュリティ侵害、およびそのほかの壊滅的な出来事の影響を受けずにはいられません。しかし、多くの組織は、ビジネス要件の変化のペースに合わせた事業継続性とディザスタリカバリ計画を備えていないのです。

重要なのは、リスクについて把握し、変化する力学に適応可能な事業継続性とリカバリ計画を備えておくことです。ほとんどの組織は、1時間を超える計画外ダウンタイムのコストを許容できません。このため、目標復旧地点 (RPO) と目標復旧時間 (RTO) の改善が優先事項となります。

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知っておくべき用語

事業継続性(BC): 組織が、ネットワークまたはインフラストラクチャーへの想定外の混乱が発生した際に機能するため、どの程度準備ができているかを示します​。

ディザスタリカバリ(DR):障害発生時、組織がダウンタイムとデータ損失を最小限にとどめて、事業活動を立ち上げ・再開できるようにする計画​。

データ保護(DP): データをバックアップしてアプリケーションのスナップショットを取得することで、情報を破損、漏洩、または損失から保護するプロセス。​

サービスレベル契約(SLA):RTOとRPO要件について詳細に説明した、顧客とプロバイダー間の契約。​

目標復旧時間(RTO):組織が許容できるダウンタイムの度合い。​

目標復旧地点(RPO): 組織が許容できるデータ損失の度合い​。

バックアップの種類

  • フルバックアップ:すべてのデータが異なる場所(オンプレミスまたはクラウド)にバックアップされるシナリオ。

  • 差分バックアップ:これは、以下のようなシナリオを指します。日曜日に「フルバックアップ」を、また月曜日には日曜日以降に行った変更点のみをバックアップします。火曜日には、日曜日以降のあらゆる変更内容をバックアップします。水曜日にも、日曜日以降の変更内容をバックアップします。これらはフルバックアップより優れている一方、前回のバックアップ以降の変更内容のみをバックアップする増分バックアップほど優れていません。このため、復元内容は「日曜日のフルバックアップ」+「月曜日の増分」+ 「火曜日の増分」…という具合に、復元したい曜日に達するまで続くため、復元が遅くなる可能性があります。

  • 増分バックアップ: 最後のバックアップ以降に変更または追加されたデータのみで構成されたバックアップ。

  • ミラーリング:アプリケーション、隠しファイル、環境設定、オペレーティングシステムなどを含む、ハードドライブと同じ内容のコピーです。

  • ローカルバックアップ:オンプレミス型バックアップと同義であり、データはテープ装置やディスクなどのローカルサイトに保管されます。このバックアップでは、サイトに留まるか、データソースとの近接性を維持することが鍵となります。

  • クラウドバックアップ:組織がデータを遠隔地のクラウドロケーションにバックアップできるようにするバックアップソリューション。パブリッククラウドとプライベートクラウドの選択肢があります。Nutanixでは、NC2(AWSパブリッククラウド)上のNutanix Disaster RecoveryNutanix DRaaS(Nutanixプライベートクラウド)を用意しています。

  • ハイブリッドバックアップ:ローカルおよびリモートバックアップロケーションを組み合わせたバックアップソリューション。

ディザスタリカバリの種類

  • クラウドベースのディザスタリカバリパブリックまたはプライベートクラウドのどちらかにホスティングされたディザスタリカバリソリューション。

  • 仮想化Nutanixでは、組織がインターネットを通じて、バックアップサーバー、アプリ、オペレーティングシステムから極めて迅速なリカバリを立ち上げて稼働できるようにします。

  • サービスとしてのディザスタリカバリ(DRaaS)フルマネージド型ディザスタリカバリソリューションでは、組織が自社のディザスタリカバリ計画を個々に保守および管理する必要性がありません。サービスとしてのディザスタリカバリでは、サービスプロバイダー(当社の場合はNutanix)がインフラストラクチャーとソフトウェアを代わりに管理します。

  • データセンターのディザスタリカバリ組織が予期せぬ混乱に備えて準備するディザスタリカバリ計画。この計画では、従業員とステークホルダーがどのような方法でデータにアクセスして、これを復旧させるのか決定します。

ビジネスがバックアップとディザスタリカバリを必要とする理由

現在は「aaS(アズ・ア・サービス)」モデルとしてよく知られる最新のディザスタリカバリは、クラウドにおける完全復旧を可能にして、1つのロケーションにおける人的・自然災害またはサービスの途絶からビジネスアプリケーションおよびデータを保護する上で最も重要なモデルです。

今日のディザスタリカバリは、リモートワークフォースの普及とサイバー攻撃の発生頻度の高まりによって、特に関連性のある話となっています。リモートワーカーは、セキュリティ面で手を抜く可能性がはるかに高まります。サイバー犯罪者にとっては、分散型サービス拒否(DDoS)攻撃などを行うことでネットワークに不正アクセスしやすくなります。

こうした理由から、ディザスタリカバリは極めて重要です。さらに重要となるのは、ビジネスがアプリケーションのフェイルオーバーを行い、再構築されたサーバーへのフェイルバックをオーケストレーションして、VPNまたはリモートデスクトッププロトコル(RDP)を通じたユーザー接続を復旧できるようになる点です。

確実な事業継続性およびディザスタリカバリ計画を用意しておくことで、データ損失から保護できるだけでなく、スタッフとサービスが限られた最も過酷な状況においてもアプリケーションとデータへのアクセスを常時提供し、全てをリモートに管理できる最善の方法となります。

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バックアップおよびディザスタリカバリソリューションの選び方

以下に紹介するのは、バックアップおよびディザスタリカバリソリューションを選ぶ際に考慮するべき主な事項です。

データ: お客様の組織のデータはどこに向かっていますか?どれくらいのデータ量でしょうか?何種類のデータがありますか?データの多様性は複雑なため、データをどこに格納するかというのは難しい判断となります。こうしたデータは、サーバー、デスクトップ、ブロック、ファイル、オブジェクトストレージのほか、様々なクラウド上に存在することができます。

需要:Enterprise Strategy Group(ESG)によると、サービスの3分の2は2時間以内に復旧させなくてはならないものです。目標復旧時間(RTO)と目標復旧地点(RPO)は減少しているため、ビジネスはより強力な保護機能を求めています。

仮想化: 今日の企業にとっては有用な「必需品」であるものの、仮想化はデータ保護を複雑化させており、ITがソリューションの変更または追加を余儀なくされる可能性があります。さらに、ハイパーバイザーが複数存在することで、この難点がさらに複雑化しています。IDCが2015年に行った調査では、企業の72%以上が1つ以上のハイパーバイザーを利用していることが明らかになっています。

時間:データレプリケーション、スナップショットの作成、異なるロケーションへのコピー分散といったデータ保護タスクにかかる時間は減少しており、バックアップの時間枠はゼロにまで縮小しています。従来のデータ保護では冗長であり、ビジネスはこれに時間を割くことができません。

複雑性:複数の保護ソリューション、サーバー、アプライアンス、ディスクおよびテープメディアの存在は、ビジネスがより多くの複雑性に対処しなくてはならないことを意味します。

コスト:データ量の増大、データ保持期間の長期化、ハードウェアおよびソフトウェアの複雑化に加えて、特にITダウンタイムがコストの増加を招きます。 Ponemon Instituteが実施したCost of Data Center Outages 2016 Report(2016年度版データセンター停止によるコストレポート)によると、データセンターの停止がもたらす平均的なコストは着実に上昇しており、2010年の505,502ドルから2016年の740,357ドルへの上昇は38パーセントの純変動額を示しています。このレポートでは、非計画での停止が1分あたり17,000ドル超の損失をもたらす可能性があると指摘しています。ただし、平均的な金額は約9,000ドルとなっています。

急増するデータコピー:データのバックアップコピーはディザスタリカバリにとって必要ですが、コピーの量が増えれば増えるほど、コストの上昇ならびにどれを破棄するべきかという難しい判断に直面することになります。

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