Nutanix Data Lens を搭載した Nutanix ユニファイドストレージ 5.1
執筆者:シニアプロダクトマーケティングマネージャー Alex Almeida
2025 年を迎え、多くの方が昨年のテクノロジーの進歩に前向きな見通しを持つ一方で、依然として解決すべき既存の IT の課題に直面しており、その克服の難しさを実感しています。AI/ML 技術の ROI に対する期待が高まる一方で、2024 年から続く課題への対応も同様に重要です。本記事では、そうした課題について考察します。
Nutanix でプロダクト管理部門 VP を務めるKetan Shah 氏は、ブログで次のように述べています。
「現代の企業は、変化する需要に迅速に対応し、効率的に IT インフラを構築する必要があります。そのために重要なのが、アプリケーションのモビリティ(機動性)です。ハイブリッドクラウド上でアプリケーションを移動して動的な要求に対応し、運用を簡素化し、コストを削減する能力です。」
新たな年を迎えても、柔軟性とモビリティは依然として不可欠です。次世代のアプリケーションを採用する要件が増大し続けるなか、従来の階層型ストレージの実装の魅力は薄れるかもしれません。しかし、階層型ストレージが完全に消えてしまうとは言えません。「メインフレームの終焉」を予測し、今でもそう考えている人は少なくありませんが、私はその考えには賛同しません。
それはさておき、企業がソフトウェア定義のクラウドベースのアプリケーションアーキテクチャに移行するにつれて、その柔軟性とスケーラビリティの利点がさらに明確になってきています。かつて仮想化やハイパーコンバージドインフラ(HCI)がコンピュートとネットワーキングを変革したように、ソフトウェア定義のストレージもストレージアーキテクチャに革命をもたらそうとしています。この変革は、アプリケーションが分散環境全体で膨大な量のデータにアクセスする必要性によって推進されており、現在ではエッジやコアだけでなく、パブリッククラウドへと広がっています。
例えば、エッジの IoT データが収集され、オンプレミスやクラウドにデプロイされたデータ分析アプリケーションや AI/ML アプリケーションで容易に利用できるとします。業務や事業全体から、より重要なデータインサイトを収集することが重要なポイントです。しかし、これを最適に行うには、次のように問う必要があります。「私のストレージ環境は、真の『データプラットフォーム』なのか?それとも、単に多くの機器やシステムの集合体(サイロ)で、それぞれが異なるプロトコルとユースケースに最適化されているのか?」サイロのアーキテクチャで作業する場合、新しいアプリケーションで必要とされるデータの局所性は、データモビリティの課題としてはるかに困難になります。
Nutanix ユニファイドストレージ(NUS)は、サイロ化されたブロック、ファイル、オブジェクトストレージの管理と保護を統合プラットフォームに集約する、ソフトウェア定義のデータサービスプラットフォームです。分析、ランサムウェア対策、ライフサイクル管理、データ保護などの堅牢なデータサービスにより、NUS は組織が最新のアプリケーションのダイナミックなニーズに迅速に適応することを可能にします。NUS は、日常的なデータストレージから戦略的なデータ管理に焦点を移すことで、俊敏性とイノベーションを促進します。AI/ML のユースケースでは、NUS のスケーラビリティ、柔軟性、シンプルさ、性能、データモビリティ、セキュリティ機能が AI/ML ライフサイクルの全段階をサポートし、IT チームが AI デプロイメントの取り組みを加速し、その成功を支援します。
最新のリリースでは、Block、File、Object の統合データサービスカタログに、さらなるイノベーションがもたらされています。
前述のデータモビリティの課題に対処するために、NUS はデータ管理とモビリティの簡素化の分野で革新を続けています。AWS での NUS Files ストレージの実装がサポートされているため、ユーザーはオンプレミスのストレージを AWS のストレージで容易に拡張できるようになり、効率的かつ柔軟に運用できるようになりました。
AWS にデプロイされた NUS Files は、クラウド DR、データモビリティ(クラウドでの AI/ML/データ分析など)、クラウドネイティブアプリケーションなどのハイブリッドクラウドのユースケースを効率的かつコスト効率よく管理するのに役立ちます。オンプレミスとパブリッククラウドの環境(この場合は AWS)のファイルに対して単一のデータプレーンを実装することは、次世代アプリケーションを容易に実装したいと考えている企業にとって大きな成功要因です。
増大するアプリケーション容量の要求に対応するためにストレージシステムがグローバルに展開されるにつれて、それら全てのシステムにわたるデータへのシンプルなアクセス方法の管理は、すぐに複雑で時間のかかる作業になる可能性があります。
NUS は、オンプレミスとクラウドのストレージ間で 1 つのデータプレーンを提供することで、このプロセスを簡素化します。これにより、管理者は、複数のストレージインスタンス間でデータへのアプリケーションやユーザーのユニバーサルアクセスを容易に設定できます。
ファイルストレージの場合、NUS は AWS とオンプレミスにデプロイされたファイルサーバー間で 1 つの名前空間を作成します。オブジェクトストレージでは、NUS はオンプレミスデータに存在する既存の単一の名前空間を AWS S3 に保存されているオブジェクトデータに拡張します。
ファイルストレージとオブジェクトストレージの両方で、この統一されたアプローチは、複数のストレージインスタンスの管理の複雑さを解消し、データへのシームレスなフェデレーションアクセスを提供することで、ユーザーエクスペリエンスを向上させます。
AI/ML ワークロードは I/O が集中的に発生するため、高性能なデータスループットを必要とします。最新のデータセットの多くは、CPU やシステムメモリに収まらないため、データをストレージからストリーミングする必要があります。
NUS Files が ESXi ハイパーバイザにデプロイされている場合、NUS は、NFS over Remote Direct Memory Access(RDMA)をサポートするようになりました。NFS over RDMA は RDMA アダプタを利用し、ストレージシステムとホストシステム間でデータを直接コピーできるため、CPU を回避してオーバーヘッドを削減できます。
NUS は MLPerf の Storage Benchmark v1.0 でトップの座を獲得しました。詳しくは、こちらのブログをご覧ください。この分野でのイノベーションにより、NUS は水準を引き上げ続けています。
SaaS ベースのサイバーストレージソリューションである Nutanix Data Lens(NDL)は、NUS で管理される非構造化データに対して、長年にわたり堅牢なデータセキュリティと分析を提供してきました。今回の最新リリースでは、その強力なサイバーレジリエンスと分析機能を Amazon S3 にネイティブに保存されたデータに拡張できることを嬉しく思います。
組織は、Amazon S3 データをシームレスに保護および監査できるようになり、不正アクセスによる脆弱性を減らしながら、全体的なリスク軽減を強化できます。この新機能により、きめ細かなデータの可視性が提供され、リスク分析が改善され、データ侵害の可能性が最小限に抑えられます。ハイブリッドクラウドストレージに Amazon S3 を活用されている NUS のお客さまや、Nutanix を検討されている Amazon S3 のユーザーにとって、この機能は、オンプレミスとパブリッククラウドの両方の環境において統一された可視性、分析、セキュリティ、監査を提供し、包括的なハイブリッドクラウドデータのレジリエンスを実現します。
さらに、NDL のランサムウェア封じ込めウィンドウは、NUS Files 上の既知および潜在的なランサムウェアの脅威をわずか数分で検出してブロックできるため、新たな脅威から重要なデータを保護するソリューションの能力がさらに強化されます。
これらは、NUS 5.1 リリースで実装された拡張機能のほんの一部です。IT 業界は、まさにエキサイティングな時代を迎えています。データからより多くのビジネスインサイトを得て、ROI を向上させることが、これまで以上に実現しやすくなっています。
次世代のクラウドアプリケーションとコンピューティングへの移行を考えると、今こそストレージアーキテクチャを再評価する絶好の機会です。これにより、ハイブリッド化が進むクラウドの世界で必要とされる柔軟性とモビリティの基盤を築くことができます。
Nutanix ユニファイドストレージとその MLPerf ベンチマークで実証されたパフォーマンスが、組織にどのような貢献をすることができるのか、是非ご覧ください。
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