1 年前に立てた予測は的中したのか?現在の状況をもとに答え合わせをします。
執筆者:Lee Caswell
2024 年の初めに、私は Broadcom による VMware 買収という不確実な状況のなかで VMware ユーザーが受ける影響について、9 つの予測を立てました。あれから 1 年、業界ではさまざまな変化が起きています。本ブログでは、当時の予測が実際にどうなったかを検証していきます。予想外の結果が見えてくるかもしれません!
予測 1. VMware の一部の顧客はより多くの料金を支払う:正解
これは予測が容易で、予想どおりの展開となりました。永久ライセンスが廃止され、新しい最小コア数が物理サーバーコアを上回った場合や、個々の大量製品が廃止された際に、顧客は実質的な値上げを経験しています。
多くの独立したレポートが、顧客の支払いが増加していることを示しています。例えば、業界アナリストの Chhabra 氏は、Forrester Research(2024 年)で価格上昇が 400% から 700% におよぶという報告を強調しています。Ars Technica (2024 年)では、Scharon Harding 氏も同様に、VMware の顧客が 300% のコスト上昇を報告したと指摘しています。
予測 2. 従来のストレージの投資回収期間が長くなる:正解
この予測を行ったとき、Broadcom はスタンドアロン製品としての vSphere Ent+ SKU を廃止しており、従来の 3 Tier 構成を使用していた全顧客が vSAN を含むバンドル SKU に移行しました。
Broadcom は最近、vSphere Ent+ SKU を復活させましたが、仮想化されたサーバーの投資回収期間を延長する 4 ノードの vSAN 管理ドメインを必要とする VCF を引き続き優先しています。ガートナーは最近、次のように述べています。「2028 年までに、コストに関する懸念から、エンタープライズ規模の VMware 顧客の 70% が、仮想ワークロードの 50% を移行すると予測される」1
予測 3. チャネルパートナーは、VMware への投資を削減する:正解
Broadcom は、VMware の 500 社の大口顧客(Harding 氏、2024 年)に直接対応しており、ChannelE2E(Carlisle 氏、2024 年)によると、VMware の 2 万 8 千社のチャネルパートナーのうち 1 万社が契約を打ち切りました。このような VMware のパートナーエコシステムに対するこの正面攻撃はまだ始まったばかりで、テクノロジーディストリビューター第 2 位の Ingram Micro が 2025 年 1 月 1 日に VMware のサポートを終了すると発表しました(Johnson 氏、2024 年)。
予測 4. Dell、HPE、Lenovo が同様に VMware への投資を削減する:これは外れました!
インフラの意思決定者は迅速に行動せず、VMware OEM パートナーは VMware 製品をサポートし続け、顧客はオフランプ戦略に取り組んでいます。
ただし、サーバー OEM は、代替手段に傾倒していることに注意してください。Cisco と Dell はともに Nutanix との拡張パートナーシップ契約を締結しました。これにより、Broadcom によるさらなる価格改定、サポート、法的措置の影響を最小限に抑えることができます。
予測 5. VMware EUC の提供は、よりオープンになる可能性がある:まだですが、続報に注目!
予測は少し早すぎたかもしれませんが、方向性は正しかったようです。Broadcom が VMware の EUC 事業を売却することで最終合意し、Omnissa としてブランド名が変更され、これが事実であることが証明されました(Iyer 氏、2024 年)。これにより、Nutanix などの代替インフラプロバイダと協力して Broadcom のリスクを管理できます。
予測 6. VMC は VMware が管理するサービスではなくなる可能性がある:ここでは大局を見誤っていました。
確かに、AWS は VMC の販売を停止しました。しかし、実際に重要なのは、Hock Tan 氏が 1980 年代の閉鎖的なデータセンターが Broadcom の新しいビジョンであり、ハイパースケーラーはコスト、複雑性、コンプライアンスリスクを引き起こすと発表し、VMware のハイブリッドクラウドエコシステムを崩壊させたことです(Tan 氏、2024 年)。
これに対し、Amazon は迅速かつ断固とした対応をしました。AWS は VMC の販売を停止し(Robinson 氏、2024 年)、その後 Nutanix への投資を増やしました(Mellor 氏、2024 年)。Nutanix と Broadcom の戦略は、これ以上ないほど正反対に構築されています。Nutanix は、アプリケーションとデータをエッジ、データセンター、パブリッククラウド環境全体で最適に配置できるコネクテッドハイブリッドの未来を描いています。
予測 7. Dell は VxRail の焦点を PowerFlex に移す可能性がある:正解
Broadcom の価格設定と管理戦略は、顧客だけでなく、Dell を含むパートナーにもリスクをもたらします。Nutanix は、 Powerflex with Nutanix Cloud Platform に AHV サポートの導入を公約しており、これにより Nutanix は初めてコンバージドストレージシステムをサポートすることになります。
さらに、Dell は現在、Nutanix ソフトウェアを工場出荷時に搭載した Dell XCPlus の販売とサポートを開始しました。これは、VxRail の代替となる Nutanix を搭載した製品です。
予測 8. DPU の採用が遅れる可能性がある:議論の余地あり
データセンターにおける DPU の採用は、ほぼゼロです。したがって、Broadcom がこの 1 年で採用を遅らせたというのは難しいです。しかし、Broadcom が成熟した製品からの利益を最大化することに重点を置いていることから、この新しい技術分野が後回しにされることを示唆しています。
予測 9. カスタマーサポートに変更があるかもしれない:正解
VMware のカスタマーサポートは、組織再編、リセラーカバレッジの変更、製品ラインの売却などにより、急速に変化しています。ライセンスとサポートの変更について、EU は Broadcom に懸念を表明しています(Foo Yun Chee 氏、2024 年)。
この影響は法的措置に発展し、AT&T は、Broadcom が「契約に違反」して、以前よりも 1,050% 高い価格で Cloud Foundation を購入するように「脅迫」していると主張しています(Sharwood 氏、2024 年)。
Nutanix は、大きな激動の時代において、お客さまに誠実さと信頼をお届けします。Nutanix は、NPS(ネットプロモータースコア)90 以上を誇り、27,000 社のお客さまに信頼されるアドバイザーとして、Broadcom のリスクをより適切に管理するための戦略構築を日々支援しています。
クラウドネイティブなアプリケーション、生成 AI ワークフロー、ハイブリッドクラウドのデプロイメントを構築する際には、Broadcom のリスクを管理するための革新的な戦略を是非ご紹介させてください。
詳しくは、 www.nutanix.com/ja/vmware-alternative をご覧ください。
1 Gartner, Inc、Market Guide for Server Virtualization、2024年8月28日、Michael Warrilow 氏、Philip Dawson 氏、Tony Harvey 氏、Elaine Zhang 氏GARTNER は、Gartner, Inc. および/または米国および海外の提携会社の登録商標およびサービスマークであり、本書では許可を得て利用されています。All rights reserved.
参考文献:
Carlisle, S. A. 氏(2024年2月14日)Broadcom outlines streamlined VMware partner program.ChannelE2E.
https://www.channele2e.com/news/broadcom-cuts-vmware-partner-program-by-10k
Chhabra, N 氏(2024年6月20日)Navigating the disruption of Broadcom’s acquisition of VMware.Forrester.
https://www.forrester.com/what-it-means/ep372-vmware-options/
Foo Yun Chee 氏(2024年4月15日)Broadcom questioned by EU over VMware licensing changes. Reuters.
https://www.reuters.com/technology/broadcom-questioned-by-eu-over-vmware-licensing-changes-2024-04-15/
Harding, S 氏(2024年10月31日)300 percent price hikes push disgruntled VMware customers toward Broadcom rivals.Ars Technica.
https://arstechnica.com/information-technology/2024/10/a-year-after-broadcoms-vmware-buy-customers-eye-exit-strategies/
Harding, S 氏(2024年12月5日)Broadcom reverses controversial plan in effort to cull VMware migrations. Ars Technica.
https://arstechnica.com/information-technology/2024/12/new-broadcom-sales-plan-may-be-insignificant-in-deterring-vmware-migrations/
Iyer, S 氏(2024年2月26日)End-user computing division embraces its future as a standalone business.Omnissa.
https://www.omnissa.com/insights/broadcoms-euc-division-embraces-its-future-as-a-standalone-business/
Johnson, O 氏(2024年12月16日)"Ingram Micro axes Broadcom: No longer ‘doing business.’"CRN.
https://www.crn.com/news/data-center/2024/ingram-micro-no-longer-doing-business-with-broadcom
Mellor, C 氏(2024年11月7日)Nutanix tightens ties with AWS on hybrid cloud solutions.Blocks & Files.
https://blocksandfiles.com/2024/11/07/easier-access-to-nutanix-cloud-clusters-on-aws/
Robinson, D 氏(2024年5月7日)VMware waves goodbye to AWS middleman as Broadcom takes the reins.The Register.
https://www.theregister.com/2024/05/07/broadcom_vmware_aws/
Sharwood, S 氏(2024年10月16日)AT&T and Broadcom may settle VMware support case.The Register.
https://www.theregister.com/2024/10/16/att_broadcom_vmware_settlement_possible/
Tan, H 氏(2024年8月27日)The future of the enterprise is private.Broadcom.
https://www.broadcom.com/blog/the-future-of-the-enterprise-is-private
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