FSB テクノロジーは、スポーツベッティングと iGaming 業界に特化したテクノロジーソリューションを提供する企業です。同社は、従来アウトソーシングしていた IT インフラを、俊敏性、拡張性、管理の容易さに優れた Nutanix Cloud Platform に移行し、厳しい時間枠で顧客をオンライン化できる体制を構築しました。しかし、地理的に離れた場所に進出し、現地の規制要件に迅速に対応するには、これまでとは異なるアプローチを採用する必要性に迫られていました。
遠隔地からの 迅速な展開 | 通常業務の継続 | 成長に向けた準備 |
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スタッフ派遣や現地運用スタッフを必要とせずに、2 週間で賭博規制を遵守した仮想データセンターの立ち上げと設定が実現した。 | Nutanix Cloud Clusters(NC2)は、AWS 上で稼働するため、オンプレミスのクラスタと同じ AHV ワークロードを共有し、Prism Central コンソールを通じが一元管理できるようになった。 | オンデマンドのスケーラビリティにより、設備投資や現地拠点の増設なしで、同じ地域の新規顧客に迅速にサービスを提供できるようになった。 |
「厳しい納期には慣れていますが、現地拠点のない地域で 1 か月足らずでの立ち上げは不可能だと思っていました。しかし、Nutanix Cloud Clusters のことを知り、わずか 2 週間で Nutanix クラスタを立ち上げて AWS のパブリッククラウドで新たなビジネスの準備を整えることができました。厳しい納期に間に合ったうえに、地理的な制約やその他の地域的な規制条件もクリアしました。さらに、AHV のワークロード全てをそのまま稼働させ、オンプレミスのデプロイメントとの一元管理もできています。」
世界的に有名なベッティングや iGaming のブランドにハイテクサービスを提供する FSB テクノロジーでは、ビジネスの運営において全面的に IT に依存しています。IT の重要性を強く認識している同社は、グローバルなサプライヤーとしてプレミアムで高可用性のサービスを顧客に提供することに注力しており、2019 年に自社のインフラをオンプレミスの Nutanix ハイパーコンバージドインフラにアップグレードし、AHV ハイパーバイザを稼働させています。
IT 部門責任者のアンドリュー・ジョブソン氏は、当時、Nutanix を全面的に導入した新しいデータセンターが稼働を開始した際に、「問題点やダウンタイムが全くなく、まさにすばらしいの一言に尽きる」と報告しています。その後も、FSB テクノロジーは事業を拡大し、最近ではスロバキアに 2 拠点、カナダと米国サウスダコタに 1 拠点ずつ、 Nutanix のデータセンターを新たに設置しています。
ジョブソン氏によると、このように世界各地に分散したネットワークを一元管理し、リソースを迅速に拡張できること、新たなオンプレミスのデータセンターを迅速、容易にオンライン化できることは大きなメリットです。しかし、限界もあります。特に、規制当局の承認を得ることが納期を守るうえで非常に高いハードルだとジョブソン氏は説明しています。
「多くの地域で規制当局は、提供するサービスと同じ場所にインフラを設置することを求めています。そのため、私たちは Nutanix のオンプレミスソリューションを選択しました。これにより、迅速な導入とオンデマンドでの拡張が可能となり、厳しいコンプライアンス規則も守ることができます。しかし、新しい地域に進出するほど、事業拡大のペースを維持するのが難しくなっています。特に、既存の拠点がない地域では、ゼロから立ち上げることになり、その難しさがいっそう顕著になっています。」(ジョブソン氏談)
FSB テクノロジーが既存の枠を越えた拡張の計画を最終調整していた際、幸運にも Nutanix が Nutanix Cloud Clusters(NC2)を発表しました。NC2 は、Nutanix のハイパーコンバージドインフラ(HCI)スタックと AHV ハイパーバイザをパブリッククラウドプラットフォームに展開することを可能にします。最終的には全ての主要なハイパースケーラーへの対応が予定されており、最初のリリースは Amazon Web Services(AWS)向けでした。FSB テクノロジーは NC2 の初期導入企業の一社であり、導入後すぐに成果が得ることができました。
「NC2 もまた、すばらしいの一言でした。AWS プラットフォームの準備には数日しかかかりませんでした。Nutanix のプロフェッショナルサービスのサポートのもとで Amazon EC2 i3 インスタンスを構成し、Nutanix Cloud Clusters のソフトウェアを遠隔でインストールしました。その後は、アプリケーションワークロードをアップロードして、既存のネットワーク上の他の Nutanix クラスタと同じように、Prism Central を使用して実行するだけです。」(ジョブソン氏談)
FSB テクノロジーでは、新たな Cloud Clusters(NC2)の本稼働開始以来、パフォーマンスと可用性の両方で十分な成果を上げています。
ジョブソン氏は次のように述べています。「これまで障害の発生はなく、それどころか何の問題もありません。ネットワーク上の他のクラスタと全く同じように動作し、特別な技術は不要です。また、Nutanix は、オンプレミスのクラスタにも AWS の新しいクラスタの両方に対して、変わらず優れたサポートと知識を提供してくれています。」
利益を正確に数値化することは難しいものの、ジョブソン氏は、ラックスペースの確保や機材の輸送、設定のためのスタッフ派遣が不要となったことで、設備投資を大幅に削減できたと考えています。さらに、NC2 がなければ、今回の2週間のスケジュールどころか従来の 4 週間のスケジュールすら守れたかどうかもわからなかったとも述べています。
ジョブソン氏は、Nutanix Cloud Clusters(NC2)の導入が今後もさらなる運用上のメリットをもたらすことを期待しており、次のように述べています。
「AWS の導入規模は、当初予定した需要を超えて、同じ地域にいる他の顧客も新たにホストできるように設計されています。これにより、追加の投資をせず、日々の運用コストも最小限に抑えることができます。」
FSB テクノロジーによる最新の AWS 導入は、世界中の拠点のない地域で新規顧客の獲得に役立ち、今後の広範なハイブリッド・マルチクラウド戦略の推進において重要な役割を果たすとジョブソン氏は考えています。
「規制上の承認を得るためには、今後もハイブリッドインフラと現地のオンプレミスシステムが必要です。しかし、可能な限りパブリッククラウドに移行することで得られるメリットは非常に大きく、Nutanix Cloud Clusters がそれを実現してくれます。」
さらに、ジョブソン氏とチームは近い将来、Nutanix Cloud Clusters(NC2)on Microsoft Azure の導入を検討しています。また、NC2 が Google Cloud Platform で利用可能になることも心待ちにしています。これらの技術により、FSB テクノロジーが世界中の新規顧客やマーケットのニーズにさらに対応できるようになると期待しています。
「マルチクラウドは、個々の顧客のニーズや多様な規制当局の要求に応じて最適なプラットフォームを選べるため、私たちの今後の戦略として採用する予定です。また、Nutanix Cloud Clusters を利用することで、リスクを分散し、コストを最小限に抑えて、容易にマルチクラウドアプローチを最大限に活用できます。」(ジョブソン氏談)