2Uサイズの単一アプライアンス上にサーバーとSSD・HDDが統合されたNutanix NX-1450によって占有スペースの節約と、管理コンソール経由での容易な運用管理を実現
独立行政法人
教育業界
本部2拠点体制で、PC作業環境を共有し、
同時にサーバーラックスペースの削減と、
システム運用負荷の軽減を図る
Nutanix NX-1450
SANやNASなどを介す従前のシステムと比較
し、約3 ~ 4 分の1のラックスペースでシステム
を実現。さらに、Nutanixが提供する管理コン
ソールを介して、確実かつ容易なシステム運
用管理が可能に。
「きめ細かな部分にまできっちり 対応いただいたことには感謝して います。たとえば、仕様書の要件に 含まれていなかったドキュメント に対しても、少しも意に介さず、 設定内容や試験の中身、運用に あたっての作業手順書など、都度 しっかり確認いただいてドキュ メントも提出してもらえました。 その辺りの手並みは流石だなと 感心すると同時に、誠実に対応 いただいて助かったところです。 仕様の解釈の違いやチューニング も迅速に対応してもらえ、安心 してお任せできましたね」
様々な日本のモノづくりや研究開発の現場が求める実践的技術者の育成を目指す高等教育機関として、高度経済成長期が萌芽する1962年に創設された国立高等専門学校。以来、半世紀を超えて国内外の産業界に幅広く貢献・活躍する人材を多数輩出している。それら全国51校55キャンパスの国立高等専門学校の管理・運営をひとつにまとめ、そこで生み出されるスケールメリットを活かすための取り組みを行っているのが、2004年設立の独立行政法人高等専門学校機構だ。
同機構では、国立高等専門学校全体としての戦略的視点に立った情報基盤の整備を計画的に進めており、学校運営や教育研究活動の高度化を支援している。今回、その情報環境のさらなる向上に向け、事務用PCの仮想デスクトップ化(VDI)を実施。ハードウェアに依存しないデータ連携を実現している。
機構本部で事務用PCのVDI化に臨まれた経緯について、独立行政法人 国立高等専門学校機構 本部事務局総務課情報企画係 係長の針生裕子氏は、「従来は、一人ひとりの本部職員がスタンドアローンのPCを使って作業をするという体制になっていました。しかし、機構本部は八王子に約100名と竹橋に約20名が籍を置く、大きく2つの部署に分かれてオフィスが構えられています。そのため、この2拠点間を頻繁に行き来する関係上、どうしても、もう一方のオフィスに行った際に、自分のPC環境ではなくアウェーな環境で作業しなければならないという不便さがありました。特に昨今のガバナンス強化や情報セキュリティ上の関係から、ノートPCやデータを気軽に持ち運びすることはできません。そんな中で、もう少し効率よく作業ができるように、なんとかすることはできないのかという声が挙がっていたのです。また、運用面においても、たとえば新規のPCを設置する場合、本部の情報担当者が現地まで出向いてPCをセットアップする必要があったため、その都度、竹橋のオフィスに出向いて対応しなければならないという非効率な側面もありました。それら業務環境の改善を早急に進めなければならない状況にあったといえます」と話す。
そこで同機構が着目したのが、機構本部の事務用PCの仮想デスクトップ化(VDI)だった。「実は一昨年前にもVDI化を検討したことがありました。しかし、当時はまだ“本部内のサーバルームのスペースが限られていたため、機器類などを極端に増やせない”“新設する機材の導入コストが高い”“VDIに対して理解が得られない”といった課題や制約があり、いったん導入を見送った経緯があります。ただ、その後も引き続き情報収集に努め、省スペースでVDI化を実現し、予算的にも承認が得られるソリューションや技術手法を探していました」(針生氏)
省スペース化と価格以外の要件について、針生氏は「もちろん、将来的な拡張に対しても柔軟かつ簡便に対応できるスケーラビリティを有していることが前提でした。今回は機構本部のみへの導入でしたが、そもそも全国51校55キャンパスの国立高等専門学校の管理・運営で、そのスケールメリットを活かせるような取り組みを行うことが私たちのミッションです。機構本部でチャレンジした今回の新システムでの成果をあげることができれば、その利点を他と共有することができます。他にも、VDI化に移行した際、その操作感や体感スピードなどが現状と変わらないパフォーマンスを維持できるスペックを有していることも重要なポイントでした。つまり、できるだけユーザー側に負担がかからない仕組みであることが不可欠でした。こうした思想で仕様や要件を詰め直し、事務用PCの刷新に臨んだ結果、ニュータニックスを使ったVDI化に至ったわけです」と話す。
「新たにVDI基盤として導入したニュータニックスのNX-1450は、サーバにSSDとHDDを組み合わせたストレージを2Uサイズの単一アプライアンスへ統合したモデルです。サーバやストレージをそれぞれ導入・設置したり、SANやNASなどのネットワーク機器も別に用意しなけなければならない従来型のハードウェア構成やシステムとは異なり、2Uしか占有スペースを確保できない私たちにとっては、これしかないと言っても過言ではないスペックを有した機器でした。オールインワンでシンプルなので、管理コンソールの簡単な操作でサーバとストレージの状況を一元把握することが可能なことも魅力でしたね。日々の運用面においても効率的な管理につながると思います。また、将来のスケールアウト時にも、従来のようなサーバやストレージ追加時の細かい設定や専用ネットワーク接続といった面倒な作業は不要ですから、本番環境を停⽌させずプラグ&プレイ感覚でノード追加できる点も大きかったです」(針生氏)
導入は非常にスムーズに実施された。「今年3月に入札があり、4月にキヤノンITソリューションズと契約締結。その後の導入作業を経て9月にカットオーバーしました。現状、VDIで約50台分のシンクライアント端末を稼働させ、運用しながら様々なシチュエーションや機能をテストしています。当初よりユーザー視点でスタンドアローンのPCでの運用と大きく異なる部分がないよう気を付けましたので、シャットダウン時の手順で戸惑う人がいたくらいです」(針生氏)
導入効果は明確に現れた。「狙い通り、ハードウェアに依存することなくシステムにアクセスしてデータ連携できるようになり、職員が自席でなくても作業が行えるように環境整備できたのは、何よりの成果です。以前のワーク環境に比べたら、今は八王子本部でも竹橋オフィスでも、まったく同じ環境で自分の仕事に取り組めるようになりました。オフィス間移動によるロスがなくなった分、作業効率が格段に向上しましたね。試験運用に参加する職員からも「便利になった!」と喜んでもらえ、VDI化の手応えを一番感じています。また、私たちが運用するニュータニックスには、わずか2Uのスペースに4台のサーバ機能が搭載されています。実際の比較ではないのですが、SANやNASなどを介す従前のシステムだと3~4倍の機器類やラックスペースが必要だったわけですから、省スペースでの運用にはもってこいだと思いますね」(針生氏)
新システムの導入を成功裏に完了した同機構だが、その視点は既に将来に向けられている。今後の展望について針生氏は、最後に次のように締めくくった。「現状、セキュアに使えていることを踏まえ、小規模テストとして外部ネットワークからのアクセスにもトライしています。八王子と竹橋の2拠点だけでなく、出張時にも対応可能とするためです。今のところ問題なく稼働していますので、いち早く新たなサービスとして立ち上げ、本部全職員が使えるVDIを提供していきたい。そして、その延長線上として、将来的には全国51校55キャンパスの国立高等専門学校での有効活用を促す情報基盤も視野に、日々の管理・運営でノウハウを積み重ねていければと考えています」
C/S システムのクライアントPCを仮想化し、サーバ上で集約管理するVDI。ガバナンス強化や情報漏洩対策、運用コスト削減を目的に導入検討されるケースが多いですが、いつでもどこでも働ける環境を提供するツールとして、生産性の向上実現にも大きく寄与。ワークスタイルに変革をもたらすお手伝いも増えています。
独自の分散ファイルシステムで高可用性を実現。SSDとHDDの統合ストレージ構成と自動階層化機能により常にパフォーマンスを最適化。シンプル構成で導入や拡張時の時間も大幅削減し、管理や障害対応も大幅に効率化します。その他プラグ&プレイ感覚でのノード 追加など、多彩な特徴を持つソリューション!