プレスリリース
2025年2月14日
生成AIによって企業の優先順位が変動、
セキュリティとプライバシーが最大の懸念事項であることが明らかに
Nutanix Inc.(本社:米国カリフォルニア州、プレジデント兼CEO: Rajiv Ramaswami 以下、Nutanix)は本日、企業によるクラウドの採用状況を測定した、第7回目となる「Nutanix Enterprise Cloud Index (ECI) 」の調査結果を発表しました。今年のECIレポートでは、生成AIの採用、投資の優先順位、各種メリットに加えて、こうした新たなワークロード需要への対応で企業が直面する重要課題にも焦点を当てています。
生成AIアプリケーションの採用と実装が驚異的なスピードで進行する中、今回のECIレポートによると大半の企業が生成AI戦略をすでに導入する一方、その導入目標は企業によって大きく異なることが明らかになりました。生産性、自動化、イノベーションのため、各社は生成AIの活用を強く希望しているものの、データセキュリティ、コンプライアンス、ITインフラストラクチャーのモダナイズの面では重大な課題にも直面しています。さらに、回答者の90%は、生成AIとモダンアプリケーションの実装によるITコストの高騰を予想している中、企業の70%は、今後2~3年間で生成AIプロジェクトへの投資に対するリターンを予想しています。
Nutanixの製品/ソリューションマーケティング担当シニア・バイスプレジデントであるLee Caswellは、次のように述べています。「多くの企業は、生成AIの実装・デプロイで転換期を迎えています。今年のECIレポートで明らかになった開発環境から本番環境へと生成AIワークロードを拡張する際の課題や、データのガバナンス、プライバシー、可視性に関する生成AIの新たな要件、既存のITインフラストラクチャーとの統合などの重要トレンドに関しては、当社のお客様からもフィードバックが寄せられています。生成AIプロジェクトでROIを効果的に達成するには、アプリケーションとインフラストラクチャーのモダナイズに対して包括的なアプローチを採用し、コンテナテクノロジーを採用する必要があります。」
本レポートの主な調査結果は、以下の通りです。
グローバル
- アプリケーションのコンテナ化はインフラストラクチャーの新たな基準になります。企業の約90%は、少なくとも一部のアプリケーションのコンテナ化を報告しており、生成AIなどの新たなアプリケーション・ワークロードの迅速な採用によって、この割合は増加する見通しです。回答者の94%は、クラウドネイティブアプリケーション/コンテナの採用は自社にメリットがあると考えています。ハイブリッド・マルチクラウド環境全体でシームレスかつセキュアなデータアクセスを実現するため、インフラストラクチャー/アプリケーション開発に対するこうしたアプローチは、重要な基準であると認識する必要があります。
- 生成AIアプリケーションの採用と実装は、急ピッチで進んでいます。企業の80%以上はすでに生成AI戦略を導入しており、生成AI戦略の計画を未着手だと回答した企業はわずか2%にとどまりました。しかしながら、導入する目的は企業により大きく異なります。大半の企業は、生成AIソリューションが組織の生産性、自動化、効率性の水準向上に寄与すると考えています。その一方で、生成AIのユースケースは現在、顧客サポートや顧客体験のソリューションに集中しています。しかし、組織は将来的にはサイバーセキュリティやデータ保護のワークロードにも生成AIソリューションを導入することを検討しています。
- 生成AIの採用によって、データのセキュリティとプライバシーに関する従来の規範が変わります。回答者の95%は、生成AIによって自社の優先順位が変わる中、セキュリティとプライバシーが最大の懸念事項であると考えています。また、企業の90%以上は、生成AIソリューションの導入に際し、データのプライバシーが自社の優先事項であると回答しています。セキュリティとプライバシーが生成AIの導入を成功へ導く重要な要素であると企業が理解しているのは明らかです。しかし、回答者の95%は、生成AIモデルとアプリケーションのセキュリティ強化に関しまだ課題があると考えています。生成AIをベースとした新たなソリューションの使用を正当化し、従来のセキュリティ規範とともに、データのガバナンス、プライバシー、可視性に関する新たな要件を確実に遵守しようと各社が模索する中、セキュリティとプライバシーは今後も企業の重要な課題になると考えられます。
- 生成AIを大規模にサポートするためにインフラストラクチャーのモダナイズが実行されます。クラウドネイティブアプリケーションをエンタープライズ規模で実行するには、セキュリティ、データの完全性、復旧力などの必須要件に対応できるインフラストラクチャーが必要です。新興の生成AIアプリケーションも例外ではありません。回答者の98%は、生成AIワークロードを開発環境から本番環境へと拡張する際に課題に直面しています。生成AIワークロードを開発環境から本番環境へと拡張する際に企業が直面する最重要課題は、既存のITインフラストラクチャーとの統合であり、その結果、生成AIのサポートに必要な投資の最重要分野として、ITインフラストラクチャーが選ばれました。
- 生成AIソリューションの採用には、テクノロジーと人材の変化が求められます。回答者の52%は、生成AIに対応するためにはITトレーニングへの投資が必要と回答しています。同様に、回答者の48%は、生成AIを扱うことができるIT人材を採用する必要があると考えています。生成AI関連の人材について、企業が深刻なスキル不足や人材の獲得競争に直面していることは否定できません。その一方で、AI関連の技能やスキルの組織的な採用という課題に対し、多くのチームはこれを通常業務の一環として受け入れると予想しています。今年のECIレポートの調査によると、回答者の53%は、生成AIの進化に伴い、AIの専門家になる機会が提供されると考えています。
日本
- 日本企業はアプリケーションのコンテナ化と生成AI活用を加速しています。日本の回答者全員(100%)が、自社においてアプリケーションのコンテナ化を進めていると回答しています。また、現在コンテナ化が最も進んでいるアプリケーションとして79%の回答者が「生成AI」と回答しており、グローバル平均の70%を上回っています。この結果は、日本がAI主導のイノベーションにコンテナテクノロジーの活用を強く重視していることが考えられます。
- 生成AI戦略を進める一方で、運用面におけるスキル不足が課題となっています。日本の回答者の99%は生成AI戦略を進めている一方で、65%は生成AIワークロードを開発環境から本番環境へと拡張する際に、AI導入におけるスキル不足を最大の課題として挙げており、グローバル平均の53%より高いことが明らかになりました。
- 生成AIワークロードの活用または拡大の阻害要因は、ユースケースの不足が理由として挙げています。日本の回答者の39%が「適用できるユースケースが不足している」ことが生成AI活用の拡大における課題としており、グローバル平均の24%を大きく上回っています。一方で、「機密データとLLM(大規模言語モデル)の利用に関するプライバシーやセキュリティの懸念」と回答したのは30%であり、グローバル平均の38%と比べて低い結果となりました。
- 生成AIプロジェクトは、今後2~3年で投資に対するリターンが期待できると予測しています。日本の回答者の42%が今後1年は、生成AIプロジェクトで投資に対して損益分岐点を超えない、または損失が出る可能性があると回答したものの、85%が今後2~3年で投資に対するリターン(黒字化)を期待しています。また日本の回答者が企業にとって生成AIがプラスになると考える一方で、投資すべき分野はITインフラを最優先に挙げ、次いで人材の採用、トレーニング、サイバーセキュリティとしています。
第7回目となる今回の調査は、Nutanixが英国の調査会社であるVanson Bourneに委託し、グローバル企業によるクラウドの導入、アプリケーションのコンテナ化のトレンド、生成AIアプリケーションの採用の現状を理解するため、2024年秋、世界各国のITおよびDevOps/プラットフォームエンジニアリング部門の意思決定者1,500名を対象に調査を実施しました。回答者の属性は多岐にわたり、南北アメリカ、欧州・中東・アフリカ(EMEA)および日本を含めたアジア太平洋(APJ)地域からさまざまな業界・規模の企業が対象となりました。
第7回目となる「Nutanix Enterprise Cloud Index」と調査結果についての詳細は、こちらをご覧ください。