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ハイブリッドクラウドとは?

2025年01月22日 | min


ハイブリッドクラウドとは?

ハイブリッドクラウドは、パブリッククラウドとプライベートクラウドの両方の要素を組み合わせたクラウドコンピューティング環境の一種です。ハイブリッドクラウドでは、オンプレミス、プライベートクラウド、サードパーティのパブリッククラウドサービスを組み合わせて、データ、アプリケーション、ワークロードを管理することができる。

ハイブリッドクラウド環境では、高度なセキュリティ、コンプライアンス、制御を必要とする機密データやアプリケーションにはプライベートクラウドを使用し、高度なスケーラビリティ、可用性、コスト効率を必要とする機密性の低いデータやアプリケーションにはパブリッククラウドを使用することができるでしょう。両環境を組み合わせることで、柔軟性、俊敏性、コストの最適化が実現できます。

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ハイブリッドクラウドの仕組み

クラウドコンピューティングがエンタープライズITに登場したことで生まれたメリットは、新たなビジネス価値とエンドユーザーの有用性にとどまりません。仮想データストレージとデータ転送の多様性を説明するため、まったく新しい用語が生まれたのです。

従来のクラウドアーキテクチャーとハイブリッドクラウドアーキテクチャーの違い

私たちはまず、プライベートクラウドまたは仮想化環境について学びました。こうした環境は、組織内のユーザーが組織のワークロードをサポートするためにオンデマンドな形で必要なサーバーやそのほかのリソースにアクセスしながら、当該リソースを組織外で一切共有する必要のないように構築されたものでした。このようなプライベートクラウドインフラストラクチャーは、必ずではないにせよ、一般的には社内のオンプレミス型データセンター内のリソースを利用して構築されています。 その後、パブリッククラウド (誰でもアクセスおよび消費可能なクラウド) のことを知りました。つまり、あらゆるハードウェアベースのネットワーク、ストレージ、およびコンピューティングリソースはAmazon Web Services (AWS)Microsoft Azure、またはGoogle Cloud Platform (GCP)などの第三者プロバイダーによって所有・管理されていることになります。ワークロードはデータセキュリティ用にパーティション化されているものの、こうしたリソースは特定のパブリッククラウドプロバイダーによって共有されています。パブリッククラウドの最大の利点は、リソースを自ら管理する必要がなく、オンプレミス環境の場合と比べてはるかに優れた俊敏性が手に入る点でした。

ハイブリッドクラウドアーキテクチャーとは、パブリッククラウドとプライベートクラウドの両方の要素を組み合わせたクラウドコンピューティング環境の設計と実装のことです。ハイブリッドクラウドアーキテクチャーには通常、IaaS(Infrastructure as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、SaaS(Software as a Service)といったクラウドコンピューティングモデルや、オンプレミス、プライベートクラウド、パブリッククラウドといったさまざまな導入モデルが混在しています。また、異なるクラウド環境間のシームレスな統合と相互運用性を確保するためのネットワーク、セキュリティ、管理ツールも含まれます。

ハイブリッドクラウドアーキテクチャーの設計

ハイブリッド・クラウド・アーキテクチャーの設計は、以下のようないくつかの要因があります:

  1. ビジネス要件とIT要件 - 拡張性、俊敏性、セキュリティ、コンプライアンス、費用対効果といった組織固有の要件が、ハイブリッドクラウドアーキテクチャーの設計を決定します。例えば、高いセキュリティとデータ管理を必要とする組織は、機密性の高いワークロードにはプライベートクラウドを選択し、高い拡張性とコスト削減を必要とする組織は、機密性の高くないワークロードにはパブリッククラウドを選択することができます。

  2. ワークロードの特性 - データ量、処理能力、ストレージ要件などのワークロードの特性も、ハハイブリッドクラウドアーキテクチャーの設計に影響を与えます。高いパフォーマンスを必要とするワークロードはプライベートクラウドで実行し、高い拡張性を必要とするワークロードはパブリッククラウドで実行することができます。

  3. 接続性要件 - ハイブリッドクラウドアーキテクチャーの設計は、異なるクラウド環境間の接続性要件にも依存します。これには、オンプレミスインフラストラクチャー、プライベートクラウドリソース、パブリッククラウドサービス間の接続性の確立や、異なるクラウド環境間でのデータとアプリケーションのポータビリティの確保などが含まれます。

  4. コンプライアンスと規制要件 - 規制の対象となる業界や地域で事業を展開する企業は、データのプライバシー、セキュリティ、コンプライアンスなど、特定の規制要件に準拠する必要があります。ハイブリッドクラウドアーキテクチャーの設計では、データとアプリケーションの安全性とコンプライアンスを確保するために、これらの要件を考慮する必要があります。

  5. 予算とリソース ハイブリッドクラウドアーキテクチャーの設計は、組織が利用できる予算とリソースにも依存します。組織は、パブリッククラウドを利用することによるコスト削減と、ハイブリッドクラウド環境の管理とセキュリティ確保にかかるコストとのバランスを取る必要があります。また、ハイブリッドクラウド環境を管理・維持するためのITスタッフなどのリソースの可用性も考慮しなければなりません。

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ハイブリッドクラウドコンピューティングの7つのメリット

柔軟性と俊敏性

適切に構築されたハイブリッドクラウドが誇る、最も重要なメリットはビジネスの俊敏性です。これによってリソースにすぐにアクセスして、新しいアプリケーションをサポート、開発およびテストプロジェクトへの対応、想定外のニーズに速やかに対処できます。理想的には、ワークロードをオンプレミスとクラウドの間で速やかに移動させ、複数の場所のリソースを活用したいところです。(残念ながら、APIならびに異なるクラウドプロバイダー間のアーキテクチャー上の違いから、実現は難しいのが現状です)。

弾力性

多くの業界は、リソース要求の大きな差異を経験しています。分かりやすい一例である小売業では、12月の休暇期間前に消費者活動が急騰します。ハイブリッドクラウドモデルは、リソース要求にも弾力的に対応する能力を提供してくれます。同様に、多くの個別のアプリケーションもリソース要求の大きな変動を経験します。こうしたアプリケーションは、必要な時にリソースを取得して、必要がなくなれば手放すことで、総合的な経費の削減を可能にする環境で実行しなくてはいけません。

セルフサービス

よく設計されたハイブリッドクラウドであれば、ITユーザー(開発者やラインオブビジネスマネージャーなど)がセルフサービスポータルを通じてITインフラストラクチャーおよびサービスにアクセスできます。こうして、ITユーザーはサービスに直ちにアクセスできるだけでなく、ITが中間業者の役を果たす必要がなくなるためその負担も軽減されます。

新しい製品およびサービスの迅速な提供

ハイブリッドクラウドは、お客様のビジネスと開発チームを足止めさせる障壁を取り除くことで、新しい製品およびサービスのより迅速な提供を可能にします。新しいデジタルサービスの作成および展開は簡単になり、開発者とテストエンジニアは必要な時に必要なリソースに容易にアクセスできるようになります。

コスト管理

ハイブリッドクラウドモデルでは、あらゆるアプリケーションを最大限に効率的に実行できる一方で、従量課金制モデルの採用でインフラストラクチャーとデータセンターへの設備投資を減らします。ピーク負荷に対応できるデータセンターを設計しておきながら、ほとんどの間は未使用の状態のままでは賢い選択とは言えません。これに対し、必要に応じてクラウドリソースを追加すれば、ピーク負荷にも対応できます。

ロックインの回避

クラウド専用モデルを採用した場合、1つまたは2つのクラウドベンダーへのロックインを避けるのはほぼ不可能です。データをクラウドから取り出すには法外な費用がかかる可能性があるため、データセンターからクラウドにデータを移行する場合は十分な注意が必要です。

最新テクノロジーへのアクセス

現在の競争的なビジネス環境において、企業はビジネス上の優位性を提供できるテクノロジーに即座にアクセスしなくてはいけません。こうした例の1つがAIです。大手パブリッククラウドは急速にイノベーションを遂げており、それぞれ競合するサービスを提供しています。ハイブリッドクラウドモデルは、最高のテクノロジーを利用して、チャンスを掴むための柔軟性を与えてくれます。

セキュアなハイブリッドクラウドを維持する

クラウド戦略リーダーシップをテーマにした最近のアナリストレポートでは、複数の業界大手のアナリストが大手クラウドプロバイダーのセキュリティ態勢は大半のエンタープライズデータセンターと同等に良いか、これを上回ると結論づけています。パブリッククラウドサービスを採用するにあたって、もはやセキュリティを主な阻害要因と見なすべきではないでしょう。ただし、これはオンプレミスのワークロードをクラウドに移行するというようなシンプルな話ではありません。セキュリティチームは、パブリッククラウドIaaSのプログラマティックインフラストラクチャーの活用を検討するべきでしょう。できる限り多くのプロセスを自動化することで、セキュリティ攻撃の原因を作りがちな人的エラーの発生確率を減らすことができます。クラウドコンプライアンスを完全に順守するには、セキュリティコントロールの追跡をプログラマチックに行う必要があります。

ハイブリッドおよびマルチクラウド戦略には多くのメリットが伴うものの、エンタープライズデータを断片化するという重大なリスクを伴います。データがどこにあり、適切に保護されているかなど、データリソースの特定および追跡は可視性の欠如によって非常に難しくなります。パブリッククラウドで保護されていないデータの存在が報告されていることは、果たして重大なデータをパブリッククラウドに保管するべきだろうかという企業の懸念をさらに強めてしまいます。多くの場合、こうしたデータセットはオペレーターが任意のクラウドにおけるセキュリティモデルおよびツールに慣れ親しんでいなかったことが原因で露出されているに過ぎません。お客様がパブリックとプライベートクラウドに関して適切な可視性とセキュリティを確保できるよう、必ずクラウドセキュリティリスクおよび脅威の継続的監視および管理を維持できる「セキュリティファースト」モデルを実行しましょう。このモデルは、リアルタイムでセキュリティの脅威を検出し、こうした脅威への対策を講じて、セキュリティとコンプライアンスの結果を測定できる革新的なツールおよびオートメーションを活用します。クラウドセキュリティおよびガバナンスを継続的に監視するツールを評価および追加し、定期的に自動健全性チェックを実行して、パブリッククラウドではセキュリティがユーザーとクラウドベンダーによって「共有される責任」であると理解しましょう。

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Nutanix Cloud Platform におけるハイブリッド・マルチクラウドの完全ガイド

ハイブリッドクラウド戦略の作り方

お客様の組織が必要とするクラウド運用システムは、単一のツールセットであらゆる環境をまたいで監視、管理、および整理する能力を備えている必要があります。ハイブリッドクラウドに対するほとんどのアプローチは、お客様のデータセンター内のレガシーインフラストラクチャー、パブリッククラウド、そしてクラウドサービスプロバイダーなど、異種のピースを何らかの方法でうまく動作させる最善の方法を見い出す戦略に基づいています。現行のクラウド環境が抱える現実に即して考えた場合、このアプローチは成功する可能性が高いと言えます:

  1. 単一のフレームワーク(「クラウドOS」)を選択しましょう。これは、オンプレミスおよびクラウドの両方におけるワークロードの管理を可能にします。
  2. このフレームワークに従い、オンプレミス型環境をモダナイズします。
  3. このフレームワークと互換性のあるパブリッククラウドとクラウドサービスプロバイダーのみを選択します。

プライベートクラウドは、ハイブリッドクラウド戦略の基盤として機能します。プライベートクラウド基盤の理想的なコアは、ハイパーコンバージドインフラストラクチャーコアです。このアプローチの効果は、ワークロードをオンプレミスに戻している70パーセント以上の組織に貢献しています。

関連リソース

Nutanix 第 6 回年次 Enterprise Cloud Index 

Nutanixはハイブリッド環境への最短の道のりを提供します

今日のデジタルイノベーションの時代において、多くの組織はオンプレミス型のプライベートおよびパブリッククラウドにまたがるハイブリッド環境でアプリケーションとデータを運用する必要があります。これは、必ずしも難しいことではありません。プライベートクラウドからパブリッククラウドへの拡張には、複雑なネットワークの管理、アプリケーションの再構築、そして様々なクラウドやセキュリティなどを対象とした複数のインフラストラクチャーの管理の必要性を含む多数の課題を伴います。オペレーターが一貫性あるクラウドプラットフォームを用いて従来型および最新のアプリケーションを管理できるよう、プライベート、分散型、そしてパブリッククラウドにまたがる単一のプラットフォームが早急に求められています。

Nutanixは、プライベートまたは複数のパブリッククラウドでアプリケーションを実行するために必要な柔軟性、シンプルさ、そして費用対効果を業界で初めて兼ね備えたハイブリッドマルチクラウド プラットフォームです。Nutanixは、Nutanixのハイパーコンバージドインフラストラクチャー (HCI) ソフトウェアのシンプルさと使いやすさ、そしてNutanixのフルスタックをAWSなどのパブリッククラウドに拡張します (今後Azureにも)。同じプラットフォームをプライベートおよびパブリッククラウドでも使用することで、Nutanixはアプリケーションとデータをクラウド間で移行、拡張、またはバーストする際の運用上の複雑性を劇的に減らします。統一管理インターフェースを用いることで、プライベートおよびパブリッククラウドインフラストラクチャーを単一のクラウドとして本当の意味で管理・運用できます。

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ハイブリッド・マルチクラウド戦略による運用の効率化

ハイブリッド・マルチクラウドによるアプリケーションの移行と運用のコスト管理

ハイブリッド・マルチクラウドインフラを採用するメリット

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セキュアで強力なハイパーコンバージドインフラ(HCI)上で標準化を行い、主要なクラウド上からあらゆる規模のアプリケーションとデータを提供できます。

ハイブリッド・マルチクラウド

Nutanix は、オンプレミス、エッジ、クラウドにまたがる全てのアプリとデータを実行・管理するための単一のプラットフォームを提供し、運用を簡素化してビジネス成果の達成を促進します。

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