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ハイパーコンバージェンスが金融サービスを変革する6つの理由 

 イネス・マリアノヴィッチ& ケヴィン・ラッシュ*/Nutanix 


 いまやデジタルトランスフォーメーションはほとんどあらゆる組織にとって最重要課題だが、とりわけ金融機関においては独自の変化が内外から求められ、それもできるだけ早くの実現が期待されている。

なぜか--デジタル化やソフトウェアをベースとした環境構築を進める企業は、多層化されたレガシーなインフラで運営される老舗銀行を凌ぐ勢いで成長している。

特に数十年ものの非効率なインフラの使用をやめることに消極的な企業であれば、競合他社に遅れを取らないようにすることはなおさら難しくなる一方だろう。いまは正にビジネスを加速させる現代的なソリューションを取り入れる時である。

 そんなソリューションの姿としてふさわしいのが、HCI (ハイパーコンバージド・インフラストラクチャー:IT 環境整備のための仮想化基盤インフラ)だ。HCI は簡単に使えて、クリックするだけでレガシーなサイロを崩壊させる、導入しやすくて強力なインフラである。

ハイブリッド化の準備にすぐに取りかかりたいと思うのなら、HCI はばらばらで複雑な管理インターフェイスを一掃する強力な基盤として機能するだろう。

以下に、ハイパーコンバージェンスを活用して、組織のレベルを金融センターレベルから競争力のある銀行監督局レベルへと押し上げる6 つの方法を紹介する。

 1. カスタマーファーストなソリューション

 人里離れたところに居ようが、タイムズスクエアの中心に居ようが、デスクトップでもモバイルデバイスでも、顧客は常に最高の体験を求めている。では金融機関としてできることとは何か。

それは、俊敏で顧客志向のソリューションを提供することではないだろうか。ハイパーコンバージェンスを用いれば顧客志向のサービスの開発から、テスト、立ち上げまで、システムを酷使するリスクなく確実かつ自由に行うことができる。

このような方法をとれば、それぞれの企業の条件に沿った試みやイノベーションを行い、市場に独自のソリューションを展開することができるだろう。

 昨今においては、企業の競争への適応力を高めるということは単に商品を早く出すことではなく、群を抜いて使いやすく優れた商品をより早く提供するということに他ならないのだ。

2. 機敏なビルドとスケーリング

レガシー環境でのスケーリングではリソースの消費量を3 ~ 5 年前に予測しておく必要があるが、多くの場合実際に必要な量は予測を大幅に上回るか、大幅に下回ることになる。

もしあなたが超能力者で、正確にリソース使用量が推測できたとしても、必要とされるその時まではリソースは持て余される。ハイパーコンバージェンスはビジネス成長に応じた支払いモデルで運営されているので、小規模から開始して順次ノードを追加していくことが可能だ。

多くの金融機関が自社のデータセンターでHCI の力を活用しているが、その中でもノーザン・トラスト社のCTO であるビジェイ・ルスラ氏は次のように述べている。

ビジェイ・ルスラ氏 「当社のHCI への投資は、運用の俊敏性、効率性、スケールを向上させ、クライアントに恩恵をもたらすでしょう」

3. データの把握

企業はこれまでもデータこそが一番大事だと認識してきた。リアルタイムのデータを取得、保存、保護、アクセス、分析できることは、金融犯罪に対抗し、競争力を維持し、イノベーションを促進するために絶対に必要というのは事実だ。

しかし、金融機関においてデータはもっと根本的で重要な役割を担っている。企業は、細かく散らばるデータをまとめ上げることができれば、トランザクション実行のためのより正確な情報を備えることができるだろう。

さらに機械学習を導入すればシステムでのスマートな推測が可能になる。DaaS(データ・アズ・ア・サービス) は、管理の合理化、プロビジョニングの高速化、複数のソフトウェアベンダーを抱え込む煩わしさ解消のためのよりシンプルな解決法だ。

これがあれば、全てのデータを単一のプラットフォームに統合し、企業全体の仕様を適応してシステムを管理することが可能になる。加えて、データの大半はDaaS を通してしかアクセスできないため、このアプローチでは第2 のセキュリティレイヤーが追加されるという利点がある。

4. インフラコストの削減

インフラのメンテナンス費用に多額のIT 予算を投じてしまうと、金融機関は価値が高く革新的なプロジェクトや顧客対応サービスに注力できなくなってしまう。インフラにかかるコストは、サポート、サポートチーム、ライセンス、アップグレード、そして電力や冷却など、多岐に渡って発生する。

HCI ではこれらの課題を確実に解決し、すべてのシステムの総保有コストの削減を実現する。一方で、自動化の機会を与えてくれるクラウドも同様に利用できる。HCI とクラウドは連携できるのだ。

HCI とクラウドを組み合わせれば、データセンターの規模全体を劇的に削減することができる。トレック社ではハイパーコンバージド・プラットフォームに切り替えることで、規模の75% の削減に成功した。そして何より、多くの企業では日常業務とイノベーションのためのIT 予算の配分は8 対2 だが、これを半々にすることが可能になる。

5. サイバーセキュリティの強化

データ侵害に1 件による平均損害額は400 万ドル近くに上ること、そして金融サービス業界がサイバー攻撃に対して最も脆弱な業界のトップ5 にランクインしていることを知っているだろうか。

セキュリティ侵害で新聞の見出しを飾りたいと思う企業はないだろうが、機密性の高い顧客データや顧客の資金に銀行は責任を負っている。そのため金融サービス業では、企業と顧客の安全を確保するため、より積極的な対策を講じる必要がある。

セキュリティファーストなアプローチを取ることがデータセンターのあらゆる点で安全を確保する最善の方法だ。セキュリティファーストなアプローチとは、インフラのアーキテクチャもしくはコードにセキュリティが織り込まれ、最初から耐障害性とコンプライアンスを持ち合わせていることを意味する。

さらに、セキュリティプロセスの自動化を行えば、人的ミスの削減やシームレスな拡張性の実現につながる。

6. 従業員のモチベーション向上 

要するに、従業員を幸せにし続けなければ、彼らは去ってしまうということだ。複雑なインフラ、日々の業務の退屈さ、職場の柔軟性の欠如などが、今日の従業員が会社の「当たり前」に不満を抱く主な理由である。

これらに代わって彼らは十分なワークライフバランスや自律的な働き方を求めている。 仮想デスクトップやDaaS(デスクトップ・アズ・ア・サービス)などのエンドユーザーコンピューティングは、その両方を実現する優れた方法のひとつだ。

従業員は必要なアプリケーションを始め社内のあれこれにどこからでもアクセスすることができるため、デスクトップコンピューターに縛られて仕事をする必要がない。

しかし何よりも、ハイパーコンバージドな基盤の導入こそ、退屈で煩わしい管理タスクの削減と排除のためには重要である。

ガートナー社は、HCI はIT リーダーのスキル向上や、より重要でやる気の出るプロジェクトへ従業員を割り当てるにつながると見ている。

さて、変化する準備はできているか--さあ、いますぐ始めよう。

(2020 年, NUTANIX Web blog)

記事構成:ニュータニックス・ニュース! 編集部, Nutanix Japan

* イネス・マリアノヴィッチとケヴィン・ラッシュはNutanix の社員。

*ケン・カプランは、ニュータニックスが発行するメディア The Forecast by Nutanix, 編集長。

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