Amdocs社は、通信事業者やメディア企業を対象にソフトウェアを始めとする各種サービスを提供する企業だ。同社はクラウドネイティブなテクノロジーに着目し、自社のITを刷新し、以前の体制は完全に切り替えたという。その理由を取材した。
「そのことばを聞いた瞬間、すべてが腑に落ちました」ー従来のやり方を貫きながら年月が経ち、Amdocs社のアロン・ヤンペル氏は、今こそ変化の時だと語っている。
ヤンペル氏 「世界は変わり、古いやり方にしがみついている余裕はありません。もう、後戻りはできないのです」
システム統合や戦略的ITソーシングをサービスとする企業であるAmdocs社のヤンペル氏はこのように顧客に語りかけている。
ヤンペル氏 「通信事業者やメディア企業は、新しいテクノロジーの導入に際して時間をかけ過ぎています。エンタープライズソフトウェア、そしてクラウドコンピューティングが急速なイノベーションを起こす中、それを痛感せざるを得ない状況があります。Amdocs社は今、プライベートでもパブリックでも、クラウドコンピューティングではクラウドネイティブなアプリケーションを全面的に利用するよう、顧客にアドバイスを行っています」
パブリッククラウドは政府機関で数々のIT目標の達成に寄与している。しかし、機密データの安全を確保するためには、適切なツールを選び、正しいプロセスを踏む必要がある。世界では相互接続がますます進み、世の中のスピード感も増しているとヤンペル氏は考えている。市場投入が遅れれば、利益が上がらないばかりか顧客のロイヤリティも育たない。
ヤンペル氏 「購入からセットアップ、そして稼働するまでに費やせる時間は数日です。以前までのように数ヵ月もかけるわけにはいかないのです」
ヤンペル氏はAmdocs社でIT & インフラストラクチャ担当バイスプレジデントを務めている。Amdocs社は、あらゆる規模の通信事業者やメディア企業に向け、ソフトウェアや各種サービスを提供するこの分野では最大手である。
同社は業界におけるダイナミックかつ絶え間ないデジタルトランスフォーメーションに加速に貢献している。Amdocs社は革新的なソリューションを豊富に揃え、350社の通信およびメディア企業と長期に渡るビジネス関係を築いているほか、コンテンツクリエーター600社と技術面や配信面で協力関係を結んでいる。これを活かし、ビジネスの発展と成長に向けたサポートを行うことがAmdocs社の役割だ。
同社では25,000人の従業員を擁し、サービスを展開する国は85ヵ国以上にのぼる。また、ナスダックのグローバルセレクトマーケットに上場しており、2019年度の収益は約41億ドルに達した。
「業界のダイナミクスを加速させ、デジタルジャーニーを通して顧客を成功に導くため、目下奮闘しています」とヤンペル氏。通信やメディアは業界として勢いがあり、絶え間ない変化が続いている。IT & インフラストラクチャ部門のマネージドサービスのトップとして、ヤンペル氏は顧客のニーズを的確に把握し、通信事業者やメディア企業数百社と長期的なビジネス関係を維持している。
クラウドでより速く、大胆に
近年クラウドの革新が勢いを増す中、Amdocs社もより大胆な成長を遂げている。クラウドネイティブな機能を導入し、CSP(通信サービス事業者)の通信インフラ収益化をサポートしている。コンサルティングファームのデロイト社で取締役を務めるマイク・カヴィス氏は、最新のクラウドコンピューティングプラットフォームについて、分散型であること、そして伸縮自在であることが必須であると述べている。クラウドネイティブなアプリは、こうした性質を持った環境で実行されるという。
カヴィス氏 「こうしたアプリは疎結合、つまりコードがどのインフラストラクチャコンポーネントにも紐づいていないため、必要に応じてスケーリングが可能であるほか、インフラストラクチャの再構築不要というコンセプトが実現します」
InfoWorldのインタビューで、カヴィス氏は「通常、こうしたアーキテクチャはマイクロサービスで構築されますが、必ずしもそれが必須要件ではありません」とも語った。一例として、自動化によって請求処理をリアルタイムで実行する、Amdocs製のアプリケーションが挙げられる。2019年、ガートナーはITサービスのMagic Quadrantにおいて、Amdocs社を「リーダー」に位置付けた。
業界最先端で知識を積み上げ、新しい能力を手にすれば、それはそのまま顧客サービスに反映される。ヤンペル氏は緊張感を持ち、効率性とスピードを追及しているとも話す。
ヤンペル氏 「データセンターの運用においては、柔軟性をより高めることが重要です。レジリエンス、柔軟性、そしてシンプルさがまだ十分ではないと考えています。当社のシステムはミッションクリティカルですから、絶対に止めてはならないのです。予定するしないにかかわらず、ダウンタイムは容認できません。ダウンタイムを発生させることなく、シームレスな改善を行う必要があるのです」
ダウンタイムを発生させない――これを実現するためには、更新も変更もリアルタイムでスムーズに行わなければならない。必要な変更を迅速に行えるよう、安全性を確保しながらも、Amdocsのシステムには機敏な対応が求められていた。
「ニュータニックスのHCI(ハイパーコンバージドインフラストラクチャ)もそうですが、プライベートクラウドテクノロジーへの移行が完了した途端、変化が現れました」とヤンペル氏。
ヤンペル氏は続けるーー「コンピューティング、ストレージ、ネットワークがサイロ化された3層構造モデルを採用していた頃は、それぞれに管理者を配置する必要がありました。今はすべてが1つにまとまっているため、テクノロジーに詳しい担当者が1人いれば問題ありません。手放せるようになった業務はシステムの管理にとどまりません。インフラストラクチャは、もはや事実上従業員がセルフサービスで使っているようなものです」。
ヤンペル氏 「以前のインフラストラクチャは、プロビジョニングして実際に使えるようになるまで、数週間はかかっていました。それが今ではたった数日です」
ニュータニックスのHCIソフトウェアを導入した後、顧客のデータシステム稼働に至るまで迅速に進み、時間を大幅に節約することができたという。
ヤンペル氏 「スピードが各段に上がりました。速さや手軽さはもとより、完全に自動化されているため、ミスの削減にもつながっています」
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Amdocs社のエンジニアは、オンサイトでニュータニックスのサポートを受けた。ニュータニックスのソフトウェアを採用したことで、同社のチームのスピードとアジリティーを向上することができた。
「ニュータニックスがなければ迅速な市場投入はできませんでした。注文書を開いてからデータシステムが動き始めるまで一瞬で完了します。今まで体験したことのないスピード感です」とヤンペル氏は話した。
(2020年2月19日, THE FORECAST by NUTANIX)
記事構成:ニュータニックス・ニュース! 編集部, Nutanix Japan
*ケン・カプランは、ニュータニックスが発行するメディアThe Forecast by Nutanix, 編集長。
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