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国立国会図書館、オンプレミスとクラウドを使い分け、効率的な所蔵資料のデジタル化を推進

「国立国会図書館デジタルコレクション」を支える仮想化基盤の運用管理をNutanixで内製化

業界

公共機関・官公庁

課題

  • 膨大なデジタル化、データ保存の需要に対応できないレガシー環境の刷新
  • 異なるサービスレベルの業務プロセスの混在に対応する複雑さ
  • 短期間でのシステム構築の実現

ソリューション

Nutanix クラウドインフラストラクチャ (NCI)

  • AOS Storage
  • AHV
  • Kubernetes Engine

Nutanix クラウドマネージャー(NCM)

  • Intelligent Operations

Nutanixテクニカルアカウント マネージメント(TAM)サービス

アプリケーション用 NFS/CIFSストレージ

Red Hat Enterprise Linux

アプリケーション

  • 書籍などのデジタル化のデータ管理および保存用アプリケーション

導入によるビジネスのメリット

  • 容易なインフラ管理による内製化の実現
  • サービス提供とデータ保管業務の実行環境の分離による業務効率の最適化
  • 業務効率の向上と管理工数の大幅削減
  • Nutanixの豊富な導入実績とノウハウを活かし、3ヶ月でセットアップ完了

課題

1948年に、「真理がわれらを自由にする」という設立理念に基づき開館した国立国会図書館。国会に属する日本で唯一の国立の図書館です。国会活動のサポートとともに、日本の文化的資産を広く収集・保存した上で永く保存し、それらの情報資源を広く国民に提供するという役割を担っています。

近年、重要なテーマとなっているのが、ITの発展やコロナ禍がもたらした社会変化による図書館サービスのデジタル化、オンライン化のニーズへの対応です。情報資源と様々な知的活動を的確につなげていくために、2021-2025年の5年間を「国立国会図書館のデジタルシフト」推進期間と位置付け、7つの重点事業に取り組んでいます。

重点事業の1つである「資料デジタルの加速」では、国内のすべての出版物がデジタルで読める未来の実現を目指し、2021年度から2025年度の5年間で100万点以上の所蔵資料の電子化を進めるとしています。

国立国会図書館の蔵書は約4,561万点(2020年)もあり、デジタル化作業の規模が膨大であること、デジタル化資料が増え続けることでデータ保存に膨大な需要が発生することが課題となっています。そのため、同館では2021年2月、デジタル化運用体制の刷新と迅速化を図るためのソリューションの調達を開始しました。

ソリューション

国立国会図書館では、デジタル情報を含めた資料の永年保管を担保しつつ、パブリッククラウドサービス等を活用した業務の効率化の検討を進めています。デジタル化の工程で生成されるデータの管理や永久保存には館内のサーバルームでホスティングし、オンラインで検索・閲覧できる「国立国会図書館デジタルコレクション」はクラウドで運用することで、同館のデジタル化業務の最適化を実現しようとしています。

国立国会図書館は、デジタル化業務の効率化の一環として、画像データの保存や管理を支える環境のシンプル化、およびそのIT基盤の管理の内製化を目指し、仮想化基盤としてHCI(ハイパー・コンバージド・インフラストラクチャー)の採用を決定しました。このビジョンを実現するために行った調達で、Nutanix Elevate パートナーの丸紅情報システムズ株式会社を選定し、わずか3ヶ月という短期間で同システムの構築を完了しました。

同館は、デジタル化業務を支える仮想化環境には Red Hat の認定ハイパーバイザーであるNutanix AHV、オペレーティング・システムとしてRed Hat Enterprise Linuxを利用し、書籍などの画像データのデジタル保存を支援するアプリケーションを含む約60台の仮想マシンを運用しています。それらのアプリケーションを通じて一時的にデジタル保存された画像データを大容量のストレージに格納しています。さらに、同システムの各データは、AWS上のパブリッククラウド経由で提供されます。

こうして新たなデジタル化業務システムでは、アプリケーションの稼働環境やデジタル化データの保存目的などに応じて、オンプレミスとパブリッククラウドを適材適所で使い分け、デジタル化業務運用の効率化と最適化が可能になりました。

導入効果

丸紅情報システムズがデジタル化業務を支える基盤として採用したNutanixプラットフォームは、ソフトウェアベースのHCIソリューションです。工場出荷時にハードウェアに検証済みのソフトウェアがインストール済みのアプライアンスとして提供されるため、導入期間を大幅に削減できました。Nutanixは、システム内のすべてのノードにデータを分散して保護する統合ストレージとコンピューティングのソリューションのため、従来の3層構成で必要だった外部ストレージを使用する必要 がなくなり、システムの簡素化に繋がりました。

直感的な操作性を提供する管理コンソールNutanix Prismは、インフラ運用の内製化にメリットがあります。また、Nutanix テクニカルアカウントマネージメント(TAM)サービスを採用し、Nutanixの基本的な運用管理の技術習得や一般的なトラブルシューティング事例を踏まえ、仮想化環境のアップグーレードやその他のさまざまな運用管理を内製化することに成功し、管理工数の大幅な削減を実現しました。

今後の展開

デジタル化社会が進展する中、国立国会図書館は日本の豊かな文化的資産を未来に継承して行くことを目指しています。同館はデジタル化業務システムを活用し、効率的にデジタル化を進めるとともに、国立国会図書館デジタルコレクションのバックヤード機能を担うアプリケーションの開発も進めています。